好奇心を忘れず、新しい自分に出会い続ける
ー前半では美容についてお伺いしてきましたが、美容以外のセルフケアではどんなことをされていますか?
ひとつは、子どもと過ごす時間がセルフケアになっていますね。一緒にいられる時間は、もしかしたら限られているかもしれないと思うと、大切にしたいなと感じます。もちろん、ぶつかることもあります。でも、そういう時間も含めて、今一緒にいられることに感謝したいと思うようになりました。
もうひとつは、ときどき家出をすることです(笑)。
普段あまりストレスを感じないのですが、時にはいっぱいいっぱいになることもあります。そういうときは「今日は家出をしてきます」と言って、一人で出かけるんです。軽井沢まで行くこともあれば、カフェで過ごすだけのこともあります。一度その場から離れて、自分の気持ちを落ち着かせる。そういう時間も、私にとっては大切なセルフケアです。

ー鵜飼さんは、常に新しいものへの好奇心を持っていらっしゃる印象があります。
50歳になって、これからどう生きていきたいかと考えたときに好奇心を忘れずにいたいと思いました。おばあちゃんになるまで、好奇心を持って生きていきたいんです。
興味があれば外に出たくなるし、誰かに会いたくなるし、新しいものを試してみたくなる。現状維持ではなく、これからも新しいことを知り続けたいと思っています。
それから、あまり「自分はこういう人間だ」と決めつけないようにもしています。
例えば、エステやヘアサロンに行ったときも、「どうしますか?」と聞かれたら、細かく指定せずにお任せしてみることがあります。そうすると、自分では思いつかなかった髪型に出会えたり、自分では気づかなかった身体の凝りを教えてもらえたりする。
人から勧められたコスメも、試してみることで「ああ、今の自分にはこういうものが必要なのかもしれない」と気づくことがあります。
自分の考えを持つことは大切ですが、それに固執しすぎないことも同じくらい大切なのだと思います。今活動している「香り診断」は、自分を客観視できる方法のひとつです。

香りを通じて、内面に目を向ける
ー「香り診断」、気になります。香りには、どのような可能性があるのでしょうか。
香りは、理性的に物事を考える部分を通らず、脳の中枢に届くといわれています。だからこそ、そのときの自分の本質的な状態が表れやすいのだと思います。
自分では気づいていない体調の変化や、心の状態を知るきっかけにもなるんです。
例えば、眠れないという方がいたとします。でも、眠れない理由は一つではありませんよね。
身体が疲れすぎているのかもしれないし、頭を使いすぎているのかもしれない。
心が落ち込んでいることが理由かもしれません。
その原因によって、必要なアプローチは変わってくるはずです。香りを通じて今の状態を捉えることで、その方が何を必要としているのかを考える手がかりになります。
ー鵜飼さんご自身にとって、香りは日常のなかでどんな存在ですか?
香りって、日常の感情ともつながっていますよね。コーヒーを淹れる香りを嗅いで「1日がんばろう」とよいスタートをきれたり、花の香りにほっと癒されたり。香りがあることで、日常の感じ方が少し豊かになることもあると思います。
だから、香りを選ぶときには、自分の気持ちに素直でいたいと思っています。自分が心地よいと感じる香りを楽しみながら、周りの人にも配慮する。そのバランスも大切にしています。
自分ではなんとなく感じていたことが、香りを通じて言葉になったり、理由が見えてきたりする。そうすると、日々の過ごし方も組み立てやすくなるのではないかと思います。

「揺らぎ」は、必ずしも悪いことではない
ー鵜飼さんのように、新しいものを取り入れる姿勢はどのように養えば良いでしょうか。
私は、ある程度揺らいでいたいと思っているんです。
揺らぎという言葉は、美容ではネガティブな意味で使われることもありますよね。でも、そもそも揺らぎって、心地よいものでもあると思うんです。
例えば、風が吹いて木々が重なり合う音や、人が心地よいと感じる声。そうしたものにも、一定ではない揺らぎがあるといわれています。
だから、揺らぐこと自体が悪いわけではないと思うんです。
肌も同じで、調子が揺らぐことはありますよね。そんなときに、揺らいでしまった自分を否定するのではなく、まずは一旦受け止めてみる。どうして今こうなっているのだろう、と原因を考えて、必要なケアを取り入れていく。
今は、いろいろなスキンケアの選択肢があります。自分の状態を知りながら、そのときの自分に合うものを選んでいくこともできる。そう考えると、揺らぐことを必要以上に怖がらなくてもいいのかもしれません。
ー今回Klarmを使っていただいた際にも、肌の状態に向き合うきっかけはありましたか?
ちょうど季節の変わり目で、肌の乾燥が進んでいた時期だったんです。毎年この時期は、夏のダメージで肌が荒れたり、皮がむけたりすることがあります。
Klarmを使ってみて、あれこれ塗り重ねなくても肌が落ち着いてくるような感覚がありました。ローションはみずみずしいのに、肌になじませるとふっくらするような感覚があって、ひんやりと落ち着く感じもありました。
肌の状態はいつも同じではないからこそ、今の自分に合うものを見つけておくことは大切ですよね。使い心地が心地よくて、無理なく毎日のケアに取り入れられることも、続けていくうえでは大事だと思います。
ーKlarmは、洗浄だけでなく、肌にうるおいを与えるスキンケアにも取り組んでいます。そうしたアプローチについて、どのように感じましたか?
クレイというと、落とすもの、洗浄するものというイメージが強いと思います。でも、Klarmにはそれだけではない印象があって。肌を洗浄するアイテムだけでなく、ローションや美容液、クリームといった、肌に与えるアイテムも展開しているところがとても面白いなと感じました。
自分の肌に今何が必要なのかを知ったうえで、そのためのアイテムを選んでいく。そういう考え方は、私自身が大切にしていることにも通じると思います。

美しさを、ひとつの基準に閉じ込めない
ー鵜飼さんが考える美しい人とはどんな人でしょうか。
どんな人にも、美しさはあると思うんです。
30代後半くらいの頃は、美しいものだけを見ていたいと思っていた時期もありました。
自分の視界に入れるものも、好きなものや美しいものだけにしたいと思っていたんです。
でも、いろいろな方と話していると、誰にでもその人なりの美しさがあるのだと感じるようになりました。
言葉遣いや所作、指先、髪の毛といった外見的なところはもちろん、その人が持っている雰囲気や、どんな仕事をしているか、メールに書かれた一文にも、その人らしさや美しさが表れると思います。
ー外見だけでなく、その人の振る舞いや生き方にも美しさが宿るのですね。
そうですね。一言で表すなら、余裕がある人は美しいなと思います。
日本画などを見ても、日本の美しさには余白や間がありますよね。お茶を点てるときにも、静けさや余白がある。そういう余裕があるからこそ、そこに美しさが生まれるのだと思います。
逆に、余裕がないと、所作が慌ただしくなったり、メールの文章が雑になったりすることもある。だから、心に余裕や余白を持っている人は素敵だなと思いますし、私自身もそういう人でありたいと思っています。
それから、綺麗なだけではなく、ちょっとユーモアがあったり、周りに気を遣わせないカジュアルさがあったりする人にも惹かれます。
美しさというと、どうしても整った外見を思い浮かべがちですが、それだけではないですよね。人それぞれに違う美しさがあっていいと思います。
ー歳を重ねるなかで、美しさに対する考え方が変わってきたのでしょうか。
雑誌の編集者として美容に携わっていた頃は、目が大きいとか、小顔であるとか、顎の形がどうだとか、外見的な基準に多くの意識が向いていたと思います。
でも、今は美しさの基準もたくさんあっていいと思っています。
その人がどんなファッションをして、どんな暮らしをして、どんな表情で過ごしているのか。そういうものも含めて、その人らしい美しさがあるのではないでしょうか。
何か一つの基準に自分を当てはめようとするのではなく、いろいろな価値観に触れながら、自分が心地よいと思えるものを選んでいく。
自分自身についても、こうでなければいけないと決めすぎず、変化していくことを受け入れられたらいいなと思います。

ーKlarmを手に取る方や、これから自分らしさを見つけていきたい方に伝えたいことはありますか?
自分の感覚を大切にしてほしいと思います。
いろいろな情報があると、つい誰かがいいと言っているものや、流行っているものを選びたくなりますよね。でも、本当に必要なものは、そのときの自分の状態によって違うはずです。
まずは自分を知ること。
そして、必要なものを取り入れながら、自分にとって心地よいものを選んでいくこと。
年齢を重ねても、自分の考えを固定しすぎず、新しいものに触れたり、人の意見を聞いたりしながら、変化していけたらいいですよね。
美しさにも、きっと一つの正解はありません。自分らしい美しさを見つけていく過程そのものを、楽しんでいけたらいいなと思います。
